僕が、大切にしている【いけおん】というイベントが終わった。このステージには、毎回多くの皆さまにお越しいただき、今回も超満席のステージとなった。本当に、ありがとうございました。
本日は、そんな大好きな【いけおん】でのクレモナのステージを見ての感想を、お伝えすることにする。
楽譜を見る必要があったのか?
まず、クレモナの演奏をみて率直な感想として、「どうして楽譜を見て演奏しているの?」と思った。スタンダードを演奏しているのに楽譜を見て、自分のセッションも入れないなんて、どんな神経なのか不明。
特に1曲目の《ペーパームーン》なんか超ベタな曲。何にも考えずにギグに入れない、クレモナのメンバーがいまだにそんなレベルだったという事に驚いてしまった。これ、かなりやばいと思うし、深刻な状況だと思う。
楽譜は覚えるもの
昔から多くの演奏家に質問される事に、
「楽譜ってみてはいけないんですか」というのがある。
なんという愚かな質問だろうか。楽譜は見て演奏するのではなく、覚えて演奏するものだと、キャリアの中で誰にも教わっていないという演奏家がいることに驚いてしまう。
もちろん、楽譜を見て演奏しなければいけない多くの例外はあるのだけど、僕が言いたいのは、楽譜しか見れていないから、音楽全体のファンクションが理解していないということで、ファンクションの理解が明らかに不足しているのに、平気で演奏していることが怖くて仕方がない。
そんな演奏家、絶対にだめだと思うし、今すぐ理解しなければいけないと思う。
素材がわかっていない演奏
こういう言い方をすると、また「監督は厳しい言い方して」と、いう人もいるかもしれないけど、考えてみてほしい。音の理解が不足している演奏というのは、素材がわかっていない演奏で、自分が何しているのかも理解していないということだ。
例えば、寿司屋の職人が、上手に寿司が握れたとして、自分がいったい何の魚を握っているのがわかっていなかったら、それでもその寿司屋に行く?
その職人には悪いけど、「ロボットと同じじゃん」って、思うよね。
それと、全く同じ。
ファンクションの理解ができていない演奏家に将来はない。
「一生楽譜を見て下手くそなままでいい?」
「ロボットと一緒」という言い方したら、「世の中の多くの演奏家が理解していない」という反論があるかもしれないけど、僕に言わせるとそういう意見こそ、「世の中の多くの演奏家が将来いらなくなる」という危機感を持っていない、頭の中お花畑な意見でしかない。
残念ながら、現実はもっと厳しいし、生き残れるためにも、もっと演奏を楽しむためにも、(これは、同義語なんだけど…)音楽への理解力を身につけなければいけないということだ。
もしね、「一生、楽譜を見て下手くそなままでいい」という人がいたとしたら、そう考える人を否定はしないけど、少なくともお客さまに対して、リスペクトがないように思う。
本当の意味で、向上心ある人って思えない。
ちなみに、楽譜見て演奏している人で上手い人っていますか?
いたら教えて欲しい。自分のステージで、楽譜を見ている演奏者で上手な演奏ができる人がいたら、一度でいいから見てみたい。
いないよね?
楽譜を見て、それで、どうやって音楽で、自分を表現できるのだろうか?
つまり、そういうことだと思う。
自分で上達したいと思うのなら、演奏時には楽譜から離れて表現するべきだと思うし、いつまでも楽譜を見ている人って、周りのメンバーをぞんざいに扱っているだけだと思う。独りよがりの演奏だということだ。
ではどうやって曲を覚えるの?
これもよく聞かれる質問。クラシック音楽にとって、調整にしても旋律にしても、既存のすでに出来上がっている音楽の組み合わせでしかないし、そこから逸脱した音楽って、基本的に演奏することないはず。
覚えられないという人は、音楽家として基本的にやっておかないといけない、スタンダードが理解できていないということでしかないし、演奏家として勉強不足。つまりサボりすぎという事を表明しているだけでしかない。
しかも、スタンダードって学生のうちに勉強しておくものでしょ?何やっていたの?って、僕から言われる前に、スタンダードをしっかりと勉強することを強くお勧めする。
そうして、覚えるの大変なんて絶対にありえないし、暗譜なんてちょろいもんだと言わないとダメ。
とりあえず、今シーズンのクレモナは、暗譜なんてちょろくて、演奏もちょろくて、しっかりと音楽のファンクションを理解して演奏しているユニットだと言えるように、今すぐそうなると宣言することが大切だと思う。
まずは、23日のRECで、最高のパフォーマンスができるように頑張っていきたい。
2024年10月19日 監督かじくん
あゆあう
お世話になっております。出口と申します。いつもクレモナの音楽を楽しませていただいています。ありがとうございます。かじくん監督の言葉からも、大変勉強させていただいています。
今日は暗譜についてです。クレモナは今まで「暗譜で演奏する」と言ってこられて、実行もされていましたよね。私が知る限りですが。(まだ日が浅い)でも、最近楽譜を見ておられることもあって、「全部が全部じゃないよね」と思っていました。
今回の監督日誌では、こんなふうに書いておられるので、ちょっと驚きました。それで私は考えました。監督さんは、今までのクレモナの頑張りも事情も理解された上で、あえてこう書いて、みんなを鼓舞している、つまりカツを入れているのだと。それからクレモナをまだまだ知らない人に対して、こんなふうにこだわって、高みに向かっているユニットだとわかってもらうためではないかと。
音楽には素人で、クレモナのこともまだよく知らないのに、勝手なことを言って申し訳ありません。ああ、めんどくさいヤツですよね。でもクレモナを擁護するために、せっかく書いたので送信します。
11月も楽しみにしています。