久しぶりの監督日誌になります。
今週の月曜日は久しぶりにクレモナの練習風景を見学。僕はただ見ていただけなんで、何も注文していないのだけど、聞いていた感想をまとめようと思いました。
さて、この日は翌日の依頼演奏ための練習ということで、依頼主さまからのリクエストの歌謡曲を中心に練習は進んでいった。
楽曲をアレンジしているのはメンバーで、アレンジの出来については、練習では何も言わないでおいた。
これは、一生懸命チャレンジをしている人に対して、心から敬意を払うことが大事だと思うし、今後の成長を楽しみにしているからだ。
どうして下手なんですか?
さて、練習を見て感じだことだけど、「どうして下手くそなんだろう?」っと、素朴な疑問が湧いてきた。この日の練習のレベルだけど、僕が純粋にそう感じるくらいの練習だったということだ。
皆さまにも考えてほしいのだけど、どういう演奏が下手くそなんだろうか?
演奏を聴いて感じるのが、下手な人の演奏は、皆んなメロディが超下手くそ。
ここで、誤解している人がいるので補足すると、メロディが下手というと、ピッチや音程、スケールやフレージングが下手くそだと思う人がたくさんいるけど、それは大きな間違い。もちろん、それらは大切な音楽の要素ではあるのだけど、それほど重要な問題ではない。
では、何が不足しているのかというと、【リズミックコンセプト】が欠如している演奏だということで、リズムに対するアプローチが不足している演奏だということ。
リズミックコンセプトって?
クラシック音楽のおいて、初期の学習者に対して、リズムがない演奏は最も稚拙な演奏だと徹底的に叩き込まれなければいけないのだけど、この国の音楽教育では、リズムの大切さを理解していない指導者があまりにも多くいて、その結果、音楽大学出ても、リズムを理解できていない人がたくさんいる。(もしかしたら音楽の指導者もリズムの理解が不足しているのかもしれない)
リズムについて誰も教えてくれない
なので、一般的に下手くそな演奏をする人が、いつまでもたっても下手くそなのは、その原因の多くは「リズム」にあるということだ。
多くの人が気がついていないけど、実は、リズムがないので、メロディが成立していないということがたくさんあります。そして、リズムを気にも留めないで、上記の問題ばかり取り組むので、上手になる伸びる芽を積んでしまっているように僕は感じている。
「そんなことない」と言う反論、大歓迎!
「メロディが下手くそなのはリズムにはない」と言う指導者もたくさんおられる。ピッチやスケールやフィンガリングが何よりも大切で、ベーシックな練習は音作りを中心にするべきだという考え方もあり、多くの演奏者がリズムを蔑ろにして、いつまで経っても抜け出せないでいる。沼っている。
長きにわたって後進の指導をされている先生には申し訳ないのだけど、それ、大きく間違っているので、改めた方がいい。
その証拠に、下手くそな人が、音作りのベーシックな練習をずっとやっていて、上手になった人、そんな奇跡な人、一人でもいるの?いないでしょ?それが、答えだと思う。
私の経験だけど、上手な人はずっと上手だし、下手くそな人はずっと下手くそ。どれだけ、ベーシックな練習しても、実際の演奏になれば、全く聞けたもんじゃない。
それなりに一生懸命やっているのに、ずっと下手くそでい続ける。考えてみたら恐ろしい現実だと思う。
では、リズムをどのように感じるの適切なのかというと、
以前から言っているように、クラシック音楽において、フィールを感じることが最も大切。そして、音楽という言葉の理解。これは正しくランゲージとしての理解。
言葉が理解できていないのに、表現しようと試みても人には伝わらない、という事実を受け入れることから始めるべきだと思う。
つまり、リズミックにメロディーを表現するのではなく、リズミックコンセプトをしっかりと持って楽曲にアプローチするべきだという事。これが、非常に難しい。
実はその辺りの解説を今度お送りする「クレモナといっしょ」というフリーペーパーに詳しく寄稿した。ぜひ、読んでほしい。
なおこのフリーペーパの購読の申し込みは、定期公演のアンケートにお名前を書いて「クレモナ友の会に入会する」とチェックするだけで送ってこられる。
読み応え抜群の「クレモナといっしょ」は、5月の定期公演のアンケートでも申し込めるので、是非ともチケットを早めに申し込んでほしいです。何卒、よろしくお願いします。
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