久しぶりに4人揃っての練習。この日は、定期公演に向けて「通し稽古」となった。しかも、一般のお客さまにもお見せする「公開練習」という形だ。当然、緊張もするし、神経使って取り組む瞬間となった。
ここで、まず僕が感じたのが、音楽の中身が全くないという事だ。まるで、AIが勝手に演奏しているような印象を受けてしまった。かなりの恐怖体験だ。
どうして、中身のない演奏になるのか。そして、中身のない演奏とはどう言った物なのか、本日はその辺りのお話しをする。
中身がないということは
中身のない演奏は、演奏者の意思を感じることができない。意思のない演奏だから、意思なく正しい演奏もするし、意思なく間違うこともある。いずれにしても、意思がないので、正解しようが間違えような大した差はない。
ただただ、ぼーっと演奏するだけ。
「そんな人いないよー!」って言いきれる?実は、意外にこういった演奏する人は結構いて、どうしようもない音楽を垂れ流しているだけの人もかなりいる。
また、逆に思うのだけど、無意識に演奏するってどんな感情なのだろうか?演奏している時の表情を見るとよくわかるけど、「ボケらー」という顔しているし、音もそうなっている。ある意味怖い。
中身のある演奏とは?
中身については、いろんな意見が出てきそうだけど、僕がまず演奏の中身を感じることができるのは、しっかりと古典を勉強しているか、勉強していないかということで判断ができると思う。
古典を勉強している人の演奏は「クォート」の理解ができていて、説得力のある演奏。つまり、中身のある演奏になっている。
ちなみに「クォート」って言葉、理解できてますか?これまでに注意されなかった演奏家がいたとしたら、めちゃくちゃやばいので、大至急クレモナの「コミュニティ」に入会して、勉強するのをお勧めする。マジ、間に合わなくなる!
スタートラインにも立てない
クォートを理解しているという前提でクラシック音楽の現場は始まるので、古典を理解していない、つまりクォートの理解が進んでいないということは、演奏家としてのスタート地点にも立つことができない。
厳しい言い方になるけど、もうすでに「終わっている」。
古典を勉強するということはそれだけではない
当たり前のことだけど、歴史的に素晴らしい演奏をしっかりと理解していないで、それを超える演奏なんて絶対にできない。
また、歴史的に素晴らしい作品を知らないで、それを超える作品なんて絶対に作れない。
古典を勉強するということは、越えなければいけない物を理解するということであり、越えなければいけない物がなんなのか理解できていない演奏家は、中身がない演奏でしかないし、控えめに言っても「独りよがり」な演奏だということ。
では、何から古典を勉強するの?
僕が、そんなこと言うと、「どんな古典から聞いたら良いのかわからない」という質問を受けることがある。
その答えは簡単で、基本的にバロック時代から近現代までの全てのジャンルをカヴァーしていないとダメ。なぜならば、それらが大切なレパートリーになっているのだからだ。さらに、大前提として、作品を理解していて、クォートも理解しているということが求められる。
当然だけど、クラシック音楽の演奏家と名乗るのなら、絶対に知っておかないとダメ。はっきり言って、古典を理解していないで、どうしてアンサンブルのコンセプトがわかるの?そんな人にクラシック音楽のランゲージが理解できるとはとても思えない。
古典を理解していない人で上手な人を見たことがない。
さらに、クラシック音楽を進化させたいと思っているのなら、現代の作品も理解しないとダメ。それは、クラシック音楽だけにとどまらず、ジャズやロックも当然理解しておかないとダメ。
ちなみに、「ジャズを勉強しろ」と僕が言うと、「ビル・エバンスが好きです」とドヤ顔で答える人がいる。でも、それって本当?
まるで、映画が大好きっていう人がいて、なんの映画が好きと質問した時、返ってきた答えが「タイタニックです」と言われたような気分だ。
これ、分かるよね?
怒られるかもしれないけど、控えめにいって「無色童貞」
特に、コンテポラリーをする人は、ウィントン・ケリーを聴きなさい。クラシック音楽が好きという人は、ウィントン・ケリーを好きにならなければいけない。
その答えは簡単。僕が教える作曲者の、僕の指定する演奏者の演奏を聴いていなければ、スタート地点にも立てないからだ。
それを聞いて、コンテンポラリーのビルトゥオーゾが、古典からどのように影響を受けているという痕跡を垣間見なければならない。そこがとっても難しいし、面白いところだと思う。
最後にボイスリーディングを理解する
今のクレモナが徹底的に不足しているのが、ボイスリーディングだと思う。ボイスリーディングの理解が足りていない人(意味わからない人も!)は、絶対にクレモナの《コミュニティ》に入会して、公開練習を見にきたら良いと思う。
ここまでが最低限のベーシックな知識だと思う。しかも、この辺りのことは、学生のうちに理解しておかなければダメ。
つまり、クレモナは現時点で普通に周回遅れだと思って、しっかりと勉強してほしい。今なら、きっとまだ間に合う。夢を追いかけるのなら、たやすく諦めたらダメ。
20250419 監督かじくん
自己陶酔感の透けた気持ち悪い記事…
申し訳ないけど、価値観に踏み込んだ内容を書くなら、他人が読むものだと思ってちゃんとしたほうがいいですよ
クオートを知らないとヤバいだのマウント取るひとが中身のある音楽を語っても説得力がないです