
Contents
空を聴く。音楽を超える体験を
東京には空がない、と言った高村智恵子。
星月夜を描いたゴッホ。
そして私たちは音楽で、「ほんとうの空」を描きます。

プログラム(一部抜粋)
- 坂本龍一《戦場のメリークリスマス》 ― 音の祈り
- オリジナル《ほんとうの空》 ― クレモナが贈る最新作
※ほか、坂本龍一・ピアソラ作品を中心にお届けします。
チケット販売状況

演奏会に向けた監督日誌
監督日誌114
新曲の《ほんとうの空》、初の練習となった。
クレモナのメンバーがそれぞれ分担して作った楽曲だけど、普通に音を並べてしまうと、小学校の校歌みたいで、なんとなく親しみやすい旋律だけど、実際は歌い難い楽曲となった。
初めの音出しから、こんなので、本当に良いのだろうかと悩んでの練習となった。
子供部屋おじさんみたいな音楽
楽譜に音を並べるという作業は、クレモナのメンバーでも、作曲を学んでいる学生でも、それらしいものを作ることはできるけど、それだけで作られた作品は、理解を深めるアプローチが難しい。
つまり、中身がないと言うことだ。
なので、わかったような、わからないような、永遠と周辺をぐるぐると回っているだけのような気持ちになってしまう。
これって、固定観念にガチガチとなって、頭ん中で考えると正しいと思っているけど、実際にやってみると別のことが起きているということに気が付かないでいる現象だと思う。
だから、いつまでも小さな殻に閉じこもって、いじいじと創作活動をしている、何年経っても売れないシンガソングライターの「子供部屋おじさん」みたいな音楽が出来上がってしまう。
きっと、今の音楽の進化が分からないのだと思うし、理解がついていっていないというのがよくわかる。
音楽的なアプデができていない
ピサの斜塔からガリレオが実験したように、自分たちの感覚に落とし込む作業が必要な時期なのかもしれない。
今回の作品は、そういう意味において、新しい課題を僕に与えてくれた。
これからの練習の流れとしては、縦のラインをしっかりと意識した作り方になる。
縦のラインとは?バーティカルに考えるとは?
縦のラインは、クラシック音楽では「バーティカルなライン」というけど、そん瞬間、どのように捉えるのかが重要になってくる。
バーティカルに考える時、SATBの概念がないと、ヘンテコなサウンドになってしまう。(SATBとは、和声的な考え方で、上の高音から、ソプラノ、アルト、テナー、バスという声部を重ねるという考え方)
また、こういった話をすると、Sが一番大切だと思ってしまうのか、最高音にしか目が入っていない人が多くいる。それも、全く違っていて、クラシック音楽はそんなに単純ではない。これは、ボイシングへの理解が低いことに起因している。
ということで、結論を言うと、「耳を澄ます」と言うことが大切になってくる。
一度、マイクになった気持ちで演奏してみたらどうだろうか?360度、ありとあらゆる方向から音が入ってくるマイクになった気持ちになって音を聞いてほしい。
徹底的に自分の音と、他の人の音を聞く作業が大切で、恐らくだけど、今のクレモナは、自分たちで思っているよりも人の音が聞けていない。
音が聞けていない分、感性も閉じてしまっているし、結局は脳みそのない音楽になってしまう。
それを、生身の人間がやってしまっていると言うことに、恐怖や罪悪感がないことも恐ろしい。
そこまで「音楽を単純にしないと理解できない」と言っているのと同じ
本当に、メロディーとコードだけで良い音楽ができると思っている?もしくは、それを考えたことある?
B♭m7と書いてあるからB♭m7を弾けという意味ではない。
そのコードの意味を読み取ることが大切で、演奏家はそこに時間をかける必要があると思う。
なので、「馬鹿正直に吹いて良いことはない」と、理解してほしい。
今回のコンサートでは、その辺りの音楽性を高めた表現を皆さまに届けていきたいし、その為に、僕たちは努力し続けるべきだ。
あと3回ある公開練習で、しっかりと作り込んで最高のステージにしたいので、是非とも公開練習に来てほしい。
僕は自分の持てる能力を全て注いで最高に美味しいコーヒーをお淹れする。
僕からは以上です。
『クレモナ』オリジナル新曲プロジェクト開始!
2016年に結成し、「アストル・ピアソラの遺志を継ぐ21世紀のクラシック音楽」を掲げてピアソラのさまざまな楽曲を中心に取り組んできた『クレモナ』は、2023年より坂本龍一氏の作品に着手し、2024年には「SAKAMOTO」というオール・サカモト作品によるアルバムをリリースしました。
欧米を中心としたクラシック音楽のトレンドをキャッチし、アンサンブルに反映し、国内では室内楽の最先端を行く『クレモナ』はついに、新しい第一歩として、「オリジナルの新曲」を世に出すことに決めました。
ピアソラも、坂本龍一氏も、みんな自作自演でライブを展開し、人々を熱狂させ、ツアーを組み、世界中の人々の心に、没後も火を燃やし続けています。私たち『クレモナ』もついにそのステージに入る時が来ました。
もちろん、ピアソラも、坂本も。
とはいえ、やはり今まで磨いてきたピアソラの作品、坂本の作品もより上質な演奏を目指し、プログラムに取り込みます。積み重ねることを大切にしてきた私たち『クレモナ』の歴史にきっと刻まれる、大きな一歩のステージ。ぜひ歴史の目撃者になってください!
演奏予定セットリスト

『クレモナ』モダンタンゴ・ラボラトリ
2016年結成。「アストル・ピアソラ」の遺志を継ぎ、クラシック音楽の「次の100年」へ繋げる、新しいスタイルの木管四重奏団。
国内唯一の「ピアソラ専門」の室内楽団であり、これまで50曲以上を手がけ、全ての楽譜を自分たちの手でオリジナルアレンジをし、暗譜で演奏をする。
対位法を駆使して新たな音響効果に挑戦し、歌口の異なる4本の管楽器それぞれの限界に挑戦したアドリブ・ソロの数々、まるで4本で演奏しているとは思えないような卓越した新しいサウンド、クリアな音像とストイックな演奏スタイルは、他のアンサンブルの追随を許さない。
待望のオール・坂本龍一アルバム「SAKAMOTO」絶賛発売中!
お買い求めは画像リンクから。

公演詳細
日時:2025年12月21日(日) 13時開場/13時30分開演(全指定席)
料金:S席6,000円/A席5,000円/B席4,000円
お問合せ:072-752-7188(ルーク)