残響の長さはホールの価値を決めるものではない

昨日はテンポのお話をしました。ここまで理屈を並べていますが、音楽というのは完全に科学的ではないと思っています。でも、科学なんだと思います。

「音楽はお天気予報みたいなもの」

 まるでお天気予報みたいなものです。しっかりと科学的に分析されますが、完璧ではない。最後はやはり経験則みたいなものがものを言わせる世界と言ったところでしょうか。そういった曖昧なところが重要だし、良い音と言うのは決して数値では表せないんです。

 だからと言って数値を無視するほど自分に自信があるわけではないので、なるべく多くの人、クレモナの場合だったらメンバーで共有できるように考えたいと言うのが私の意見です。

残響の長さがホールの価値を決めるのか?

 先日、京都にあるホールでシーズンを開幕させたクレモナでしたが、私にとってこのホールの残響は長すぎました。

 では残響は何秒が良いのかというと、それは数値では言い表せないと思うんです。ちなみに、大阪にあるザ・シンフォニーホールはウェブページに「残響2秒の軌跡」と言うタイトルで、残響2秒が「音響基準の究極形」だと根拠のない主張をしていますが、それって本当なのでしょうか?

「残響ってアルコール度数みたいなもの」

 最高のワインがあったとして、「このワインは12%なんだからめちゃくちゃ美味しいんです」と言われたとしても信用できないじゃないですか?一方、「15%のワインはワインじゃない」って誰かが言っても、それに賛同することはありません。

 大好きなボルドーを手にして、エチケット(ワインのラベル)のシャトーを見て感動している時に、アルコールの度数なんか気にする人はいないと思うんです。もちろん、目安にはなり、絶対に必要なものですが、絶対的な基準はありません。

 では、先日の京都のホールは長い残響だからと言って響きが悪いんじゃないのでは?と、そういう初歩的な疑問を持たれる方もおられると思います。大歓迎です!

 具体的に説明しますと、反射音の時間的な遅れが大きかったと言うことです。これを「ロングパスエコー」と言いますが、室内楽やオーケストラを演奏する上では邪魔になるからです。音の明瞭度が下がるので、非常に演奏しにくかったと言うのが本質です。

ワインと同じで「飲んでみないとわからない」


 ウィスキーなどと違って、ワインってたくさんのシャトーがあって、しかも取れた年によってもさまざまな評価があります。それらを全て飲み比べることはできないし、誰からの意見を聞いたとしても、わかったようなわからないような気分になってしまいます。

 クレモナの演奏もワインと同じで、実際に聞いてみないとよくわからないところが多いと思うんです。確かに何か普通のクラシック音楽とは違うと言うのは理解できるかと思いますが、具体的に何が違うのかは説明できない。

 お天気予報みたいで、アルコール度数みたいな数値だけでは決定できない何か特別なものがそこにあるのかも知れません。

 8月の服部緑地野外音楽堂でのコンサートでは、そんなクレモナの魅力を屋外でめちゃくちゃ楽しんでもらいます。ぜひ、皆さまでご来場ください。

8月13日(金)17時から服部緑地野外音楽堂で開催するワンコイン・「たそがれコンサート」の詳細はこちら

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