音を混ぜるということはボルドーワインと一緒なんだよなぁ

音のブレンドについて昨日まで書いております。本日はその続きからです。

音をブレンドさせるということについて。

 発音原理も全く違う楽器なんで倍音の構成や波形も全く異なるということです。物理的に混ぜ合わせる作業は難しいと言いましたが、そこでポイントになるのが順番です。
 同じように演奏した音であっても、私の耳には聞こえてくる順番がその時々で変わってきます。厳密にいうと曲の中であっても常にバラバラに聞こえるように自分でトレーニングしています。当然、メンバーは常に同時に発音して同時に聞こえるように訓練するので、録音された音をプロツールすで見る限りは同時に音はなっているのですが、その時々で耳に入ってくる印象(順番)はまちまちです。

 どうしてこう言った現象になるのでしょうか?普通になんの意識もしないで聴くと同時に聞こえてくるのですが、あえて順番にこだわって聴くようにすると、突出して聞こえてくる楽器があったり、逆に非常に遅く聞こえてくる楽器があったりもします。

 私はこの順番を見極めて、なるべく混ざるようにレッスンをしていきます。非常に集中力を有する作業でへとへとになるので、クレモナでは長時間の練習は基本的にしません。

野菜ジュースの順番

 ところで皆さまは野菜ジュースを飲まれることがありますが?私はカゴメの「野菜生活」というものをよく飲むのですが、あれ飲む時もまずはじめに”どの順番で味がするのだろう”かと、考えて飲むようにしています。

 面白いもので、同じ野菜ジュースであっても毎回順番が違います。「今日はリンゴがいちばん」と感じるというようにです。さらに次は、どの味が長くしているのかと考えていきます。そうしたら、「今日はニンジンが長い」と感じるようにもなります。その次ははじめと終わり以外の中間部分の味についても考えていき、野菜ジュースの順番を考えます。

 この作業は他の液体を飲む時も同様にして考えていきます。例えばワイン、葡萄の品種の順番についても同様だし、ブレンドコーヒーの順番も必ずつけるようにします。ここまでくるとマニアックすぎると思われるかも知れませんが、それだけ人が感じる印象というのはいい加減だし、曖昧だから良い部分はあるのだと言うことを理解しながら、常に混ぜることについて考えるのが音楽監督という職責だと私は思っています。

クラシックの場合

 普通はここまで些細なことに拘ることはしないものですが、クラシック音楽の場合、誰も気にしないような部分に気が付き、その些細な変化を表現するというのが基本的な楽しみ方の一つにあります。

 良い音楽監督はそうやって音を立体的に作り上げていて、アプローチの差はあったとしても音を磨き上げる作業は細部をしっかりとトレーニングすることが大切だと考えております。

 フランスのボルドー地方のワインは単一品種の葡萄を使用してワインを作るのではなく、複数の品種の葡萄からワインを作ります。これを「ボルドーブレンド」と言いますが、まさにクレモナが大切にしている音のブレンドとボルドー地方のドメーヌの考え方が一致していると思う時があります。

 ぜひ、美味しいワインとクレモナの音楽を一緒に楽しみたいものです。13日の野外音楽堂ではアルコールのご提供はできないみたいですが、そんなことにも思いを馳せながら、コンサートを楽しんでもらえたら幸いです。

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