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心理領と物理領には明確な線引きを行う

『クレモナ』モダンタンゴ・ラボラトリ


 昨日はメンバー全員揃っての練習となりました。昨日の練習のポイントはリズムとテンポになりました。本当に今問題となっているピッチについて考えていきたかったのですが、そこまで手が回らなかったというのが現状です。 

 しかし、バタバタとしてしっかりと準備ができなかったというような本番にはしたくないので、これからの仕上げがとっても重要になってきます。

大きな音を鳴らすこと。

 8月は、13日の服部緑地野外音楽堂のコンサートと月末のレコーディングが主なステージになるのですが、それらを見据えて月の頭から音を作り込んでいきます。レコーディングまでに野外でのステージがあるのが重要で、はっきり音を出す(音を鳴らす)ことをポイントに進めています。

 とは言っても、オーバーブロー的な乱暴な音を出すのではなく、全体的にダイナミクスのレンジを広げるという作業が必要になります。なので、大きな音を出すことと同時に、弱音もしっかりと響かせるという作業を並行して進めなければいけません。

 弱い部分の明瞭度が低くなると、強い音の印象を持ちにくくなると、以前もお話ししましたが、弱い部分がしっかりと響いて美しく表現できるからこそ、強い部分の印象が上がると私は考えております。

「強い・弱い」と「大きい・小さい」は違う

 ここでポイントになるのが、「強い・弱い」と「大きい・小さい」という対義語を混同しないというのが、監督として大切になってくると考えております。前者は心理領域のお話で、後者は物理領の話になります。

 この心理領と物理領の話は、さまざまなシーンで出くわすのですが、必ず明確な線引きをするように心掛けています。いずれの問題であってもバンド全体の”ブレンド感”が最も大切になってきて、サウンドをしっかりと作っていれば問題なく解決すると私は考えています。

 では、サウンドをどのように作るのかと言いますと、さまざまなアプローチがあると思われますが、クレモナで大切にしているのが何度も言っています”テロワール”という考え方です。ピアソラの作品にある

 では、サウンドをどのように作るのかと言いますと、さまざまなアプローチがあると思われますが、クレモナで大切にしているのが何度も言っています”テロワール”という考え方です。

ピアソラの作品にある「テロワール」

 ピアソラの作品は、根無草というか今でいう”グローバル”なところがあります。出身国は南米のアルゼンチンで、活躍したのは主にヨーロッパとアメリカ。ですが、ピアソラの作品には揺るぎない”テロワール”が存在していて、私たちにしっかりと語り掛けてくれます。それを探し出して”テロワール”の語るままに音を作り上げていければ良いのですが、現実はそれほど楽な作業ではありません。

 ”テロワール”を考える時に大切になるのは、その音楽の元となった一次資料にあたるということです。教科書で書かれているような歴史の断片を見るだけでは不十分だし、演奏された音を聴くだけでは”現在”を切り取って表現したということでしかないんです。

 この深遠なピアソラの音楽を本当に理解するために”ワイン”を飲むことをお勧めいたします

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