クリアな音と豊かな響きの両立

 トリオの練習でした。実は22日に体育館を借りて練習するので、現在そちらの準備作業をしています。体育館という場所は、妙に響くし、響きにくい空間でもあり、そんな場所で練習するというのが、クレモナには大切なミッションになっており、何よりも一番大切にしているメンバー間の共有する音「中音」を磨き上げるためにおこないます。

音を磨き上げるという作業

 どれだけ難しい曲であっても、無調の現代曲であっても、バランスが良ければ美しく全部聞こえてくると思います。この辺りのバランスが非常に難しいのですが、普通に演奏したら音が団子になって聞こえてくるような箇所でも、演奏家は、徹底的にバランスを取るように心がけるべきだと思います。

 往年のバースタインとウィーンフィルのような熱気と熱気のぶつかり合いみたいなことは絶対にありません。(あっ、バーンスタインを批判するつもりはありません)

音圧レベルの強奏は絶対にしないという事です。

 少人数だからこそ、室内楽だからこそ、できる最高のバランスを調整するように心がけています。

 つまり、明瞭さが大切なポイントになり、明瞭でないものが、表現豊かになるとは思えないと考えております。もちろん、焦点が定まっていない音楽も同様です。

 これは、自分自身の戒めでもありますが、この時期(本番が近い)に調理をしすぎないように心がけています。構造がしっかりとしている楽曲を演奏する場合は特にそうですが、こねくり回さない事が大切だと思っています。

 温度が定まれば、上にも下にもいかない。一定を保ことが大切で、適切な温度で保たれた素材を存分に、お客さまに提供することが、音楽監督の仕事だと考えております。

これからの時代

 デジタル録音が主流になって、上手な人が録音すると全ての音がクリアになって聞こえてきます。ヘッドフォンでハイレゾの音源を聴けば、あらゆる楽器が全てクリアに聞こえてきます。全く新しい体験です。

 ところが、実際のホールでの生演奏を聴くと、モヤモヤとしていて聞き取りにくいという現象が起きています。特にクレモナのように最高の技術でレコーディングをしている団体なら、そのギャップが大きくなると思います。

 今、クレモナでは、ステージの上で聞こえるべき音は、全て理想的なバランスで聴こえるようにしたいと目指しています。

 また、一方で、もっと豊な響きも欲しいんです。クリアな音と豊かな響きというのは、たいていの場合、両立しません。

 でも、それを両方とも高いレベルで実現させたいと願っています。

 実は、「クリアな音」と「豊かな響き」が根っこで繋がっているとなると、理論的に説明できなくなることがたくさん出てきます。

 しかし、これらを分けるという考えは、これからの演奏法としては実用的ではないと、私は考えているし、それらを実現するために、定期公演に向けてしっかりと取り組んでおります。

 是非とも、皆さまの耳で、新感覚の表現を体感しに、一度公開練習にお越しください。目から鱗のレッスンが待っていますよ!

2022.11.16 監督かじくん

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