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明日はレコーディング、今日は最終練習だった。

『クレモナ』モダンタンゴ・ラボラトリ

シーズンがいい形で開幕。当日はあいにくのお天気だったけど、たくさんのお客さまにご来場いただき、何よりほっとした。

 本日はレコーディングに向けた最終の練習だった。

「物事が上手くいく事が信じるのが苦手な人へ」

 アムステルダムのランチタイムコンサートの公開リハーサルの動画をご紹介する。会場はアムステルダムのコンセルトヘボウで、シャイー(Cond.)とピリス(Pf.)との生々しいやり取りが収められているある意味貴重な動画だ。

 ピリス「私は演奏できないわ」

 シャイー「去年、この曲演奏しただろう」

こんなやりとりの末、ピリスは完璧に演奏したみたいだけど(動画では最後まで確認はできないのだけど…)、まさに演奏家にとっては悪夢でしかない動画だ。どうやら、ピアニストが用意していた楽曲と、指揮者とオケが演奏していた楽曲が違ったという惨事で、リハの途中、オケの演奏が始まって判明したという事らしい。

 公開リハーサルとはいえ、なんの打ち合わせをしないで臨んでしまうところは、シャイーらしいのだけど、世の中にはこんな事もあるのだという教訓の動画。

 それに比べたら、まだ起きてもいない事象に対してあれこれと心配するのは、全く無意味だと思うし、大切なイメージを崩してまでするような冒険ではない。

 でも、心配してしまう。それが人間ってもんだろうけど、クレモナはプロとして活動しているのだから、そういうのやめて欲しいって、本日は思った。


 さて、今回のレコーディングでは、「天才の見た世界を見る」ということをモットーに取り組んでいる。自分で言うのも変だけど、結構クールに作り込んでいる。

 現在クレモナでは抜群のテクニックで、完璧なピッチで演奏するという、生身の人間の演奏らしくないと言われても仕方がない部分をしっかりと作り込んでいる。メンバー全員で神経を尖らして、一つ一つ慎重に作り込んでいる。

 「機械的」と言われても、「デジタルっぽい」と言われても大丈夫。

だって、これがめちゃくちゃクールで仕方がないのだから。しかも、多くの演奏家が目指しても到達できない領域なんだから、さらに頑張れる。

 今回のレコーディングはこれまでにない音をしっかりと残せるように取り組んだし、繊細なアンサンブルというのは、大人数のオーケストラでは体感できるようなものではないし、少人数なりの音楽表現があると信じて取り組んでいる。

 是非とも、クレモナの新しいクールな音楽を楽しみにしていてほしい。

監督かじくん

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