皆さんは演奏をされますか?演奏する時、緊張しますか?
「練習では完璧に演奏できたのに、舞台に立つとボロボロになってしまった」そんな経験があるという人もおられると思います。
また、「客席の音が気になって集中できなかった」とか、「いつもと違う響きを聞いてしまってわからなくなってしまった」というような言い訳を聞いたこともあるかも知れません。もし、このような言い訳を聞きたくないという私みたいな人は、どこかの団体の音楽監督に就任するのは向いていないと思います。(私も向いていません)
緊張も実力のうちだと思います。さらに言うと、緊張に打ち勝てる人でないと、プロとしては務まりません。もちろんプロでも、常に勝てるとは限らないのですが…。
クレモナの場合もそうで、本番の直前に妙に表情が強張っているの見たこともあります。さらに、演奏直前、緊張で足が震えている姿を見たこともあります。
上手な人は緊張しないと思う人がおられますが、それは全く違います。緊張はデジタルで測定できないので、主観的な話になりますが、恐らく多かれ少なかれ全ての演奏者は緊張するみたいです。
有名なところでは、ポリーニは緊張からくるミスが前半では、多くあるように思います。聞けたもんじゃないというコンサートも聞いた事があります。でも、後半急に持ち直すところが、さすがポリーニというところですね。
また、本番直前までジョークを飛ばしていた某有名指揮者さまに至っては、緊張のあまり目玉が痙攣して笑っていない不気味な表情を目撃した事があります。まるでホラーです。
さらに、某有名マエストロは、緊張を緩和させるために舞台袖で、シャツをブリーフにインする姿を、指揮棒を持たされた私は何度も目撃してしまいました。まるで、成人用オムツを履いているような印象でした。
また、もうお亡くなりになった大御所の方に至っては、舞台に入る直前はいつも「かじ、思いっきり背中を叩いて!」と、奇妙なリクエストをさせる人もおられました。オネエ言葉で「叩いて!」と、言われる方がよっぽど恐怖です。
アルゲリッチに至っては、「今日は弾けないわ」と、半泣きになって舞台袖で言い出して周囲を凍らせたりもするみたいです。流石に、これは目撃はしていませんが、客席から見る彼女からは想像もできない瞬間です。
いや本当に、緊張にまつわる話はたくさんあります。それでも、演奏家は舞台に立ちます。それが仕事だからと言えば、それまでなのかも知れませんが、ある意味その緊張感を味わうために舞台に立つのかも知れません。
そして、その緊張感を味わうために、必死になって毎日努力するのが演奏家というものなのかも知れません。そんな演奏家の、孤高な姿を見てしまうと、つくづく、演奏家になれなくてよかったと今は思います
最後にホロヴィッツの言葉を紹介します。
(舞台を指差して)
ホロヴィッツ
あそこは人生で最も孤独な場所だ
なるほど、クレモナも是非とも頑張ってもらいたいものですね。
2022.09.27 監督かじくん
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