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代役について

『クレモナ』モダンタンゴ・ラボラトリ

 昨日はフルートとホルンの公開練習でした。楽器の構造も、演奏する方向性も全く違うこの2種の楽器を指導するって、一体どこに意味があるのか自問自答する時間となりました。せめて、この時間が無駄にならないようにと、楽譜の中のポイントをおさらいするといった内容となってしまいました。しかし、意味があったかは不明。

 急に練習に欠員が出てしまうと、本当に仕事がなくなってしまいます。というか、練習自体の意味を喪失してしまうように思えて、全く納得できる内容にはなりませんでした。もうこういった無駄な時間を過ごさないようにしたいと心から願います。

 と言う感じで、本日は代役についてお話をします。

 コロナの影響を受けてここ数年は国内のクラシック音楽のシーンでも代役というのが頻繁に起こっています。

 ただ、誰かの代役をするとなった時、日本ではその人以上に有名な人や、同レベルの人を代役に立てる傾向が強いように思います。つまり、コロナ禍で若手にチャンスが生まれなかったとも言えます。

 しかし、ヨーロッパでは往年の巨匠の代役で若手にたくさんチャンスが訪れたし、そのチャンスをものにした方もおられます。お陰で、ヨーロッパの一流のオーケストラの音楽監督が一気に若返り、20代のシェフもザラにいる時代となりました。

 おそらく、これほどまでに若返りをしたことはこれまでになかったと思われます。

 これって本当に素晴らしいことです。

 しかし、日本のコロナ禍では、若手にチャンスが回ってこなかった。なんなら、若手は死亡宣告を受けてしまって、別の道を歩み始めているようにも思います。さらに言うと、クレモナはコロナ禍で生き残った団体だという印象を持つ人さえいます。

 これは大きな間違えであって、コロナを機に若手が元気に業界を引っ張っていってくれるようにならなかった。つまり、これからも若手にチャンスがなかなか訪れないかもしれないと危惧するべきだと思われます。

 そして、コロナを機に、この国のクラシック音楽界が衰退するかもしれないと心配してしまいます。

 そんな業界の心配を跳ね返すべく、クレモナは最高のステージで皆さまと元気にならなければならないし、その為に昨日の練習はとっても大切だったと思います。チャンスが訪れない時代なら、自らチャンスを創出する時代になるよう努めていければ幸いです。

 次回の公開練習は17日(月)を予定しています。最高に尖ったクリエーションでお届けいたしますので、お時間ございましたら、ぜひ遊びにいらしてください。

2022.10.13 監督かじくん

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