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腕の痛みを乗り越えて取り組まなければいけません

『クレモナ』モダンタンゴ・ラボラトリ

トリオの練習はとことんまで追求し、その結果メンバー自身がどのように演奏したいのか、分からなくなる現象になる時があります。

まるで自己中毒を起こしているかのように、頭の中に音楽が流れていない表現になります。

演奏がうまく行かなかったときに。

普段は簡単にできるようなパッセージで指が絡まったり、いつもより音の処理が甘くなったりして、次第には腕や指が痛くなります。そんな時は、何をやってもうまくいきません。とっとと楽器を片付けて、飲みにでも行って憂さ晴らしをする演奏家もおられます。

あるいは、暴飲暴食に走ったり、大好きなお買い物を楽しんだりする人もおられるでしょう。気分転換を図ると言うことです。決して悪いことではないのですが、それでは問題の解決にはなりません。


なので、【クレモナ】では指や腕が痛くなるまで練習したら、その痛みを乗り越えて演奏できるようになるまで練習をします。

バッハの平均律なんかでも同様ですが、どうしても弾きにくい調があって腕が痛くなります。でも、その調を自分のモノにしたいと望むのなら、その痛みを乗り越えなければいけません。

ピアソラの楽曲も同様で、ピアソラ自身がバンドネオンを演奏する時、非常に苦労した痕跡が多々あります。ピアソラの楽曲を自分のものにしたいと思うのなら、そこは腕の痛みを乗り越えなければいけません。そういうものです。 要は時間のかかることは時間をかけて取り組むということです。それが結構むずかしいです。

腕の痛みに堪えながら客観的に演奏をみつめる。

 音楽の場合、トレーニングを続けていれば筋肉が付いてきて、いつの間にかできるようになると言うことはありません。神経のシナプスが繋がっても演奏ができるようになると言うことはありません。なので演奏家は腕の痛みを堪えながら、自分の演奏を客観的に見つめながら反復しなければいけません。

さらに、ただ闇雲に時間ばかりかけていくとどんどんと音楽から駆け離れた演奏にもなります。なので、常に冷静に自分の演奏を見つめ直さなければいけません。そう言った、ある種の修行のような苦行を、一人で乗り越えらる力がある人はごく少数だと思います。

だから、【クレモナ】では全員で乗り越えるようになっています。一人では解決できなくても、隣に人がいたら何とかなるかもしれないという発想です。でも、それが返ってプレッシャーにもなるかもしれませんが・・・。

アンサンブルする能力の高さの秘訣

 アンサンブルする能力が高いと言うのが【クレモナ】の売り文句ですが、アンサンブル能力と言うのは、そうやって目に見えない所で努力した成果物です。 ぜひ、クレモナのステージではそうやってもがき苦しんだ結果としての演奏をお楽しみください。

2021年9月6日 監督かじくん

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