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2021年7月25日|バロックザール公演

『クレモナ』モダンタンゴ・ラボラトリ

青山音楽記念館・バロックザールでの演奏会を終えました。
ピアソラ生誕100周年の新シーズンということで、大きなステージ6つのスタートダッシュであったので、
気合入れて準備しました。その中で特に意識した「音響」についてお話ししたいと思います。

「どこででも演奏できる」には

ついに新シーズンが始まりました。3月のフェニックスホールでの公演で、「ホールの音響/残響」に呑まれてしまったという反省から、この準備期間では特に音響について考えてきました。

体育館での音響練習のようすはこちら

ホール独特の残響感(音が消えてなくなるまでの時間)はそれぞれのホールによって、また立ち位置によって変わったりもするので、「どこででも演奏できる」ことを意識して例えば音価(音の長さ)だったり、バランスについて打ち合わせてきた。初期反射、ロング・パス・エコー…今まで意識することのなかった「音響について」また「楽器の特性について」それぞれが考える機会となりました。

しかも、【クレモナ】は全て暗譜でステージに立つために、「吹き方」をたたき込むところまで調整が必要でした。

バロックザール特有の響き

今回の本番は、バスツアーとセットになっており、監督がお客さまのアテンド係だったこともあり、わたしたちだけでのリハーサルとなりました。体育館練習の時に決めた距離感やスケール感を調整しながらリハーサルをしていきます。

リハーサルで感じたのは、空のホールがいかに音がぐるぐると回るかということ。また、このバロックザールの残響が無駄に長く、アンサンブルで鍵となる音やリズムの聴き取りが難しいということ。

(お風呂場状態のようでした!)

バロックザールって、天井が高いから、前に前に音を作らないと、予想しているタイミングで反射音が聴こえず、指とのずれがミスを生むように感じました。

リハーサルは緊張も相まって、テンポが上がる傾向にあるので意識して落ち着いて臨むべきだと思いました。

そのため、基本的にソプラノサックスみーことホルンあやめちゃんが奥にスタンバイする、深めのUの字体系から、全体的に横広がりで浅めの奥行きの体系にすることにしました。

舞台の上でのいい音のするポイントの見つけ方の一つに、チェロのエンドピンの穴と、ピアノの車輪の跡をたどるというやり方があるのですが、バロックザールの場合、チェロのエンドピンがぶすぶす刺さった跡よりも少し前に音を集めるようにセッティングするべきだと感じました。

いざ、本番。

本番の様子を【限定公開】にしています。ぜひご覧ください!

https://youtu.be/nbFjqtN4znc

本番の良かった点は、バランスをそれぞれが取りながら冷静な判断で演奏が出来たということ。
反省点は、それでも残響に惑わされて、テンポやアンサンブルに乱れがあったということ。

今回のセットリストは、詰め込みすぎず、腹八分目くらいのプログラムを120パーセントのエネルギーで演奏する、というイメージで作りました。体力や集中は途切れることなく演奏が出来たように感じました。

ただ、今ソーシャルディスタンスで半分しか客席を埋められないからなおさら反響が難しくなっていると感じました。

お客さまも演奏に集中してくださって、長い残響がなくなるまで、拍手は鳴らず、そして大きく拍手をしてくださりました。ソーシャルディスタンシングの規定で集客は半分の100名しかできなかったのですが、そんな状況下でも満席のお客さまに囲まれて演奏できるわたしたちはやはり恵まれていると感じました。

次の演奏会に向けて

8月13日の演奏会は服部緑地野外音楽堂で音響さんと一緒に取り組む本番となります。

そのため、またバランスづくりを見直し、また、広い会場なのでテンポ感ももう一度調整しながら取り組みたいと思います。練習は8月1日からです。

ただいまチケット販売中!ぜひお越しください。

詳細はこちらから。

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