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聞こえ方問題

『クレモナ』モダンタンゴ・ラボラトリ

 「シュクレ!」のレコーディングに向けての練習も大詰めとなり、良い感じに仕上がっているように思います。

 本日気にしたのは、演奏している時の聞こえ方についてです。

 よく、いつもと違う響きになると演奏しにくいという意見を言う人がいます。これってどう言う事なのでしょうか?

 いつもと同じ響きになると安心するという事だと思うのですが、響きが変わるから面白いという感覚はないみたいだし、演奏家としていろんなホールで演奏するのが楽しいという感覚がないとも言えます。これって、普通に持つ感覚かもしれませんが、できるならそんなふうに思わないでほしいです。

 さて、昨日の練習では「シュクレ!」は非常に安定したサウンドになっていました。それ自体は悪いことではないのかもしれませんが、こう言う時は常に予定調和で予測できる音楽になっていると思うんです。非常に面白くない演奏とも言えます。

 現在、「シュクレ!」では、あえてアイコンタクトを取らないように、見えない位置でそれぞれが演奏することになっています。雰囲気だけで合わせなければならない、非常に演奏しにくい状況下で練習することになっています。

 そんな状況なのに、安定して聞こえる事がある意味で危険。きっと、吹きにくい環境下に馴染んでしまったのだと感じました。どのような環境でもすぐに対応できることは、非常に大切なスキルでもありますが、自分の理解できる公式に当てはめるだけで、学習能力としては良いのかもしれませんが、結局音楽が面白くなくなります。

 なので、昨日はさらに吹きにくい状況にするために、配置を変更しました。

 演奏しにくい状況になると、グッと集中力が増してきます。昨日の狙いはここにありました。

 以前、「聞くことは見る事です」とお話しした事がありますが、レコーディングの場合、見えない環境下、つまり情報の少ない環境で、緊張感を持って録りたいと思っています。予定通り、いつも通りの演奏を残したくないと思うのは、ごく当たり前の事です。

 でも、演奏する方は、負担が大きくなるので、丸一日かけてレコーディングするのに、冒険ばかりしたくないと思うみたいです。気持ちはわかりますが、この先何十年経っても色褪せない演奏を残したいと思うのなら、あと少し努力しなければいけません。

 楽曲はいい感じで仕上がってきています。後は、前述したようにどれだけ熱い物を残せるのかにかかっているし、毎日でも聴いてもらえるようなモノにしたいです。

 ぜひ、今回のREC、ご期待ください。

2020.10.25 監督かじくん

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