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「テロワールの特徴を見事に表現したい」

『クレモナ』モダンタンゴ・ラボラトリ

 8月13日の野外音楽堂でのコンサートを控えて、音を混ぜるという作業を意識しています。この屋外でのステージののち、レコーディングが月末にあるので、そこまで見据えた音作りを今月は意識して取り組むようになります。

音楽における「テロワール」

 室内楽でもオーケストラでも吹奏楽でもそうですが、それぞれの団体でそれぞれの独特の音響があり、私たちをそれを「個性」といったりします。例えば、1960年代のベルリン・フィルの録音と、現在のベルリン・フィルの演奏を聴き比べたとして、演奏者も指揮者も全く違うのにもかかわらず、同じような特性が表出することってクラシック音楽の場合多々ありあす。これを”テロワール”と言います。

 クレモナにおいても、初期の演奏から今の演奏まで受け継がれている演奏習慣みたいなものがあり、独自な”テロワール”があります。メンバーそれぞれの出身地も出身大学も別々で、しかもそれぞれの楽器の発音の仕方も別々なんですが、共通する”テロワール”があり、レコーディングまでの期間、この”テロワール”を意識した音作りを徹底したいと考えております。

『クレモナ』の「テロワール」

 では、クレモナの”テロワール”というのはどういうものなのでしょうか。私はそのヒントが”ブレンド感”に現れていると考えております。”ブレンド感”、もう少しわかりやすく言いますと、”音の混ざり具合”というのでしょうか、4つの別々の楽器がクレモナらしい音の混ざり方をしていると考えております。

 複数人で演奏する場合、音を合わせる作業が大切になってくるのですが、それらはテンポであったりとか、ピッチであったり、リズムであるのですが、実は音色も知らず知らずに合わせるように訓練されています。というより、お互いに影響を与えて混ざっていくというのが現実的なのかも知れません。

音をブレンドさせること

 クレモナの場合、徹底的に音をブレンドさせていきます。発音原理が違う楽音をブレンドさせると言うことは興味深い作業にもなるのですが、こういった試みがうまくいくとさらに面白い音響となると思うんです。

 ”四人で演奏しているように思えなくらいな演奏”となるように、しっかりと音をブレンドさせていく、これがクレモナの複雑な”テロワール”であり、ブレンドしていくのが監督の一番の楽しい仕事でもあります。

 野外音楽堂は屋外ということもあり開放感があって、演奏するのには素晴らしいローケーションだと思われます。西陽が差し込んで大変だとか、お客さま目線では色々とあるかと思いますが、ここでとびっきりの”テロワール”を表現したいと思いますので、ぜひ楽しみにしていてください。

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